この本を読んだきっかけは『LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義(著者)吉森保(Amazon)』を読了してもっとオートファジーを知りたくなったから。
でも『LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義(著者)吉森保』は2020年発売、『細胞が自分を食べる オートファジーの謎(著者)水島昇(Amazon)』は2011年発売なので情報は後退してる。
それに水島昇先生は東京医科歯科大の教授、吉森保先生は大阪大学大学院生命機能研究科の教授ということで所属が違うし専門も違うのかな?からか情報のズレはいくつもある。
科学的な記述、著者に慣れている人は『細胞が自分を食べる オートファジーの謎 (著者)水島昇』は読み進められるが、慣れていない人には『LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義(著者)吉森保』で生命科学の基礎や科学の読み方、オートファジーのさわりを学んでから読むと理解が進みやすい。
わたしのメモ
構成
オートファジーの一通りの概要
オートファジの発見に至った経緯
個々のオートファジーの役割について。
タンパク質の合成と分解の意味
3大栄養素は炭水化物、タンパク質、脂質。炭水化物と資質は蓄えるが、タンパク質だけは自らが働く。
体重60㎏の人に必要なたんぱく質は1日60㎏ぐらい。 でも、私たちは1日に200gくらいのタンパク質をアミノ酸に分解している。
オート(自分)ファジー(食べる)をつなげた科学的造語。
細胞の入れ替えと細胞内の入れ替え
細胞は生物として生きるための最小単位。 細胞膜は細胞を覆う袋。
新鮮さを保つため、栄養を獲得するため、変化するため。
細胞内はタンパク質と小器官で満たされている
オートファジー不能細胞は飢餓に弱い
オートファジーが不能だとタンパク質を合成できない。 タンパク質を分解するとアミノ酸になり細胞はそのアミノ酸の多くを再びタンパク質に合成する。
絶食時は神経系細胞以外のすべてでオートファジーが起きる
<p.神経細胞は脳のこと。 脳の最も重要な栄養素はグルゴーゲン。 第二の栄養素はケトン体というアセトン、アセトン酢酸、β-ヒドロキン酪酸
飢餓状態でも脳はオートファジーが活性化しないだけで、オートファジーは起こる。
オートファジーを抑制してがんの治療に
オートファジーはがんの発生を抑制するが、発生してしまったがんをサポートしてしまう。
アメリカではがん患者にオートファジーを抑制する治験が行われている。