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『秋の牢獄 恒川光太郎(角川書店)』と私がパン職人だったら

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『秋の牢獄 恒川光太郎角川書店)』は「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の3編小説からなる。今回は「神家没落」を紹介する。

 

「神家没落」 春の夜、主人公は友人宅でお酒を飲んだ帰り道に公園へ寄り道をしようとした。記憶とは違う道を通り過ぎると見慣れない藁葺屋根の家があった。家主は翁の面を被った男、家主は自身の役目を語り、その役目の継承者を主人公に託した。 この役目は家を守ることだ。ただ住めばいいのではない、外出ができないのだ。敷地内に一人でいるときに敷地外に出ようとすると不思議な力に妨げられる。継承者に託すまでこの敷地から出ることはできない。 主人公はどうにかしてこの家から出る方法を模索するのだが...。

 

ここからはわたしの妄想

もし、主人公がものづくりを仕事としていたら、この家から逃れる以外の選択肢もあったかもしれない。 ものづくりと言ってもいろいろあるけど、井戸水を沸かしてスーパーの60パック入りのジャスミン茶を入れると

 

「うますぎる。なんか、こう身体がすっと軽くなるような不思議なお茶だよ」

 

と好評だ。 スーパーの60パック入りのジャスミン茶が美味しく感じるのは場の雰囲気によるもではなく、その地の井戸水自体が美味しいなら、食べ物の作り手、例えばそば職人やパン職人なんてどうだろう(パン作りは私の趣味、最近はシュー生地作りも始めた)。

 

この家の縛りは、家主は家から出られない、藁葺屋根の家が移動する(全国を年間61回移動する)、家に他人を泊めてはならない(例外はあるようだ)。

 

この縛りを満たしながらパン職人としてパン屋を営む。材料の仕入れはサングラスのおじさんに頼む、スーパーのでいいので強力粉と塩とサラダ油(オリーブオイルかバターが良いけど高いので却下)を頼もう。

 

酵母は庭にある樹木のマンゴーのような形の実で作ってみたい。 強力粉と塩とサラダ油、水、酵母でハード系のパンは作れるはずだ。大事なオーブンは電力がなくても、薪ストーブがあれば十分。

 

藁葺屋根の家だから、薪ストーブはあるんじゃないかな。 お店の形態は、持ち帰り専門店ではなくその場で食事ができる(イートインと言うらしい)形態が良いと思う、もちろん持ち帰りもできるようにする。

 

飲み物はジャスミン茶の他に珈琲を用意したい。お客様の目の前で珈琲豆を挽いてドリップすれば演出効果も抜群。(珈琲焙煎も私の趣味)

 

そして、この店の魅力はシークレットだ。全国を年間61か所回るわけで必然的に期間限定のお店になる。61か所すべてでお店を出さなくても良いし、A地域では珈琲屋、B地域ではパン屋、C地域では珈琲焙煎屋など地域ごとに主とする商品を替えたらおもしろいかもしれない。

 

資金がたまったら、オリーブオイルやバター、強力粉などランクの良いものを揃えたいね。 文中には薪ストーブは出てこないので、もし薪ストーブがないならパン屋は諦めて、珈琲屋か蕎麦屋だな。