読活履歴

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内面と外面

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私の知人に人当たりの良い人がいる。

 

会うと元気があってにこやかで、第一印象は大抵いいと思う。

その彼は料理を食べるのが好きで、一緒に外食に行くと何でも喜んで食べる。「いやー、これは上手い」とニコニコしながら言う。

 

高級料理でなくても、庶民的な外食でもお惣菜のお弁当でも喜んで食べてくれるので彼を喜ばせるのは簡単だ。美味しい料理を食べて彼が上機嫌になれば、「うほー肉汁がジューシー」「あげ加減が絶妙ー」など連呼しだす。食べている料理の話なら、その場は明るくなり一緒にいる私も楽しい。

 

しかし、私は彼が苦手だ。普段の彼は何かを批判したり馬鹿にする話が多いからだ。「あの企業は昔Aを販売していたんですよ(笑)。あんなの売れるわけない(ニヤニヤ)、馬鹿だよね(アハハハハ)」「Bはダメだね。そんなことしたら悪用できるじゃん(笑)、みんなが悪用したら切がないよ(ニヤニヤ)」と、馬鹿にし続ける。

 

表現の仕方を変えて重箱の隅を楊枝でほじくる。もちろん、批判してから彼なりの改善策を話すことはない。

「あの企業のA」の話は、その企業の公式サイトに載っている。確か1946年のことで企業の失敗作として紹介されている。

今では世界的に有名な大手企業で、新製品が出ればニュースになるほどだ。 Bは視点を変えれば大変有効なもの、彼は一遍だけを見て批判をしている。それに彼が言うような悪用をしても意味がないように思う。(AとBが何かは言えない)

 

私にとって自分の過去の失敗を他人に話すのは気恥ずかしさが先行して難しい、この企業の過去の失敗作を公式サイトで読んで「失敗話の価値」などを改めて感じた。

※「改めて」というのは失敗話の価値について、いろんな本で読んだから「改めて」とした。

 

私にとっては力になる失敗話も、彼にとっては馬鹿にする話のネタでしかない。馬鹿にする話を延々と聞かされていると、「でもね」と反論したくなる。

「Bは視点を変えるととても意味のあるものなんですけどね」と反論すると彼はキョトンとする。「え?なんで反論してるの?」のような感じかな。

 

彼にとっては馬鹿にする話はただの雑談でしかないのだ。ただの雑談をマジに反論されるなんて思っていない。「みんなも一緒に馬鹿にして、盛り上がろうぜb」な感じなのかな。

 会話は、相手とのキャッチボールだ。相手に言葉を投げて、相手の言葉を受け取って、やりとりしていく。逆接で受けるというのは、「そんなボール取れないよ」と相手を否定してかかっていることなのだと気がつかないくてはいけない。  もし、相手と反対の意見を述べたいなら、受けとめてから、ずらしていく。「否」と言下に相手を否定しなくても、「こういう考え方もできる」と話を進めていくことで、別の見方を相手に提示することはできる。 P82 「対面力」をつけろ! 齋藤孝光文社新書

私が反論する前に、彼の話を受け止めていたのだろうか。 彼が馬鹿にする話が始まると、私は「また始まったか」と思っていた。聞きたくないけど適当に笑って頷いていれば時期に終わるだろうと。そして、長引いてくると聞くに堪えなくなって反論する。彼が馬鹿にする話を始めた時点で、私は彼を馬鹿にしていたのかもしれない。馬鹿にしている相手の話を受け止めず認めず、最初は反論しない。最初に反論しないで一緒に笑うから、彼は周りにいる人も賛同しているのかと思ってエンジンをふかしてしまうのかもしれない。