【きっかけ】
ある日、Kくんがある仕事をしようとすると、
先輩「それAくんが得意でしょ、代わりにやってあげなよ」
上司「それはKの仕事だから、人の仕事取るなよ」 と言う会話があった。
この会話で『韓非子 第一冊/金谷 治 訳注』を思い出したので、必要なところだけつまみ読み。 ====
【内容】
昔、韓の昭侯(しょうこう)が、酒に酔ったまま、寝てしまった。 なので、それを見ていた、王に冠をかぶせる係の側近が、王が風邪をひかないように、寝ている王に衣をかぶせてあげた。 しかし、王は、この冠の係の者を罰した。また、衣の係の側近も罰した。 風邪を引くという一時的なことよりも、部下が他人の職分を侵すということのほうが、弊害が多い。 部下の仕事内容と役職とは、一致させなければならない。引用元:高等学校古典B/漢文/侵官之害
【感想】
オリンピックブラジル大会のサッカーを思い出す。
サッカー競技場で、日本のサポーターは試合終了後に自分たちが居た場所のゴミ拾いをしてから帰る。
これを日本のメディアは美談として報じるけど、海外のメディア(国は不明)は「競技場の清掃員の仕事を取るなんて無礼だ」のような報じ方をしていたらしい。
この海外メディの報道を聞いたときは、「ゴミが少なければ、もう一段階上の清掃(ガム取り?)ができて良いじゃないか」と思った覚えがある。
今思うと、ブラジル競技場の清掃員が時給制だったら、清掃が楽になれば早く終わってしまい給料をカットされるだろう。
他には、メジャーリーグでプレイしていた日本人選手は、自分のクラブやスパイクは自分で手入れをするのが習慣だった。
しかし、メジャーリーグのチームには道具手入れ専門のスタッフがいる。
そのスタッフからは「自分は信用されていない」と思われたらしい。
もし、手入れをした道具の数で給料が決まっていたら、スタッフの生活に支障が出る。 良かれと思ったことが、良いこととは限らない。